作品については前回書いたので、今回は観劇日記を。
地球儀にソ連国旗の幕が上がると、いかにも農村な雰囲気たっぷりな
セットと、質素なワンピース姿のジーナ(クリサノワ)。
明るい小川農場へ慰問にやってくるバレリーナ&バレエダンサーらを迎えに
鉄道の駅まで旗を持って迎えに行く農場の住民たちの姿で
ここにはそんなに娯楽がないことも、なんとなく分かる。
でも、住人たちは底抜けに明るいしおおらか。
そして、バレリーナ&バレエダンサーたちがやってくることで
平穏な日々にドタバタが起こるわけですが
ボリショイのダンサーたちの芝居が、びっくりするぐらい上手で
ショスタコーヴィチの音楽とダンスを言葉にして、素晴らしい芝居をするのです。
言葉がなくても音楽とダンスでこんなにも表現できるなんて
オネーギン同様、バレエの奥深さを垣間見た気がしました。
夫がバレリーナに浮気してしまうけれど、ジーナは湿っぽくなくて
みんなと一緒になって、一芝居打って夫を懲らしめてしまう。
でも、バレリーナになりすまして夫を誘惑するジーナに気付かず
バレリーナと思いこんで気をよくしている夫に、ムカッときちゃうジーナが
ホントにいじらしくてかわいいんです。
クリサノワがまさに好演!!!
とてもかわいかったです。
クリサノワのジーナが少しだけ見られます(2.20くらいから)↓
http://jp.youtube.com/watch?v=MJy2dOzdYUMそして、別荘住人のおじいちゃんとおばあちゃんに好かれてしまう
バレリーナとバレエダンサーがお互い男女入れ替わって
バレリーナは男装、バレエダンサーは女装して、
夜のランデブーへと向かうのですが、このシーンがもう可笑しくて
会場から笑い声が絶えることなかったのが印象的でした。
動画で少しだけ楽しめます↓
http://jp.youtube.com/watch?v=GdahDCp5uwwバレリーナたちと一緒にやってきたアコーディオン奏者は
ちょっと格好つけてて、ニヒルな感じを醸し出しているんだけど
農場のトラクター運転手が化けた大きな犬に、びびっちゃって
それでも格好つけようとしてるから、もう可笑しくてたまらなかったです。
そんなドタバタ喜劇だったのですが、私がなによりも素晴らしいと思ったのは
ラトマンスキー氏の振付です。
彼独特の茶目っ気たっぷりな踊りが、ふんだんに盛り込まれ
その振付を、すっかり自分のものにして踊るボリショイのダンサーたち。
彼の作品をもっともっと観てみたい!
という衝動に駆られました。
ショスタコーヴィチはこのラトマンスキー版を見たらきっと大喜びしたでしょう。
また、ボリショイダンサーたちの技術の高さを改めて感じました。
簡単に踊っているように見えるのですが、ラトマンスキー氏の振付は
非常に難しいのでは…と、思いました。
それを脇役のダンサーまできっちりと踊りこなせてしまい
更にはしっかりと自分のものにしているのですから驚きです。
ドンキや白鳥を見に行かなかったことを後悔しました(笑
バレエ技術の高さは、今世界一のバレエ団ではないのかな…と思います。
来年はマリインスキー劇場がラトマンスキー氏の新作を来日公演に持ってくる予定
らしいので、今からマリインスキーの踊るラトマンスキー振付も楽しみです。
明るい小川、とても満足できました!!!
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技術力もあるなんてすごいバレエ団なんだね。